【挑戦者の本棚 vol.3】「森々燦々」実行委員長 秋山淳さん

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「森々燦々(しんしんさんさん)」は2024年10月〜11月にかけて、西粟倉の森林を舞台に初めて開催された芸術展示やワークショップのイベントです。今回はその発案者かつ実行委員長としてこのプロジェクトを実施された秋山淳(あきやま あつし)さんにお話を伺い、オススメの一冊をご紹介いただきました。

今回「森々燦々」を開催した思いとは

西粟倉村で普段生活していると、周囲の自然や森が目に入りますが、見えてはいるけれど実際その自然の中身というのはなかなかわからないものなんです。景色として「綺麗だな」というのはわかりやすと思いますが、それだけで終わらせずに、もうちょっと自分の言葉でこの自然を理解し、表現したいと思ったんです。

自分の周りにある環境について理解が深まるとその街の奥行きが見えてくる。なので、今回はみんながそれぞれいろんな視点で、自然や森との“関わりしろ”や、着眼点を作品やパフォーマンス、ワークショップとして提示してもらい、来場者にそれを感じてもらうことを目指しました。森々燦々を通じて、少しでも自然や森との距離が近くなれば良いなと。

開催を振り返って

資金的なところではやはり苦労しました。きちんとお金をかけて一定以上のクオリティを担保して、来場者に入場料もいただくべきなのか、別の方法で資金を調達して入場のハードルを下げ、地域のコミュニティに対して開かれた場所を作るのか。その選択はとても難しかったです。最終的に複数の補助金を得ることができましたが、それでもすべての費用は賄えず持ち出している部分もあります。今後継続的に開催するためには資金の課題を解決する必要はありますね。

ただ、今回の開催で青木村長をはじめとした役場の皆さんにも非常に応援していただきまして、補助金を含めご支援いただきました。

今回運営を担った実行委員のメンバーは全員有志で参加してくれました。私が旗を立てて、それに興味があると言ってくれた方が忙しいなか開催にむけて尽力してくれました。

私も含め皆さん初めての経験だったので、もちろん色々な苦労はあったのですが、例えば地元企業が協力してくれて道路の使用許可が取れたり、過去に芸術祭に関係した仕事の経験がある方が参加してくれたり、海外とのネットワークがあるかたが参加してくれたことで海外のアーティストにも出展していただいたりと、あとからみんなのスキルやノウハウがうまく機能して想定以上の結果が出せたと感じています。こんなに色々な人が集まっている西粟倉村はすごいですよ!まさに奇跡だと思います。実行委員以外にも大勢のボランティアのかたが参加してくれました。

多くの村民も参加した展示やワークショップ

今回作品はプロ、アマ問わず公募しました。いわゆる“アーティスト”ではない村民のかたからも多くの応募があり、そのほとんどは実際に参加いただきました。森々燦々としてのコンセプトは我々実行委員で作りましたが、参加いただくかたに「こういうものが欲しい」といった要望を出すのではなく、みなさんが表現したいことをやってもらうことが前提で、実行委員としては参加者全員とひとりひとり対話して、森々燦々のコンセプトに近づけるための提案をこちらからもおこないました。例えば使う材料を自然分解性のものに変える、といったことです。労力はかかりましたが、この対話をおこなったことが結果的に非常に良かったと思います。

プロのアーティストの作品を展示する機会は世の中に多くあると思いますが、プロ・アマ問わず、また表現のジャンルも問わずに、今回のコンセプトに対して何かしら表現したい、参加したいという人を集められたことが良かったですね。あと、やはり地域の方々を主役にすることができたことが大きいと思います。

来年以降の開催について

今回、自分としては“アンチテーゼ”のような気持ちもありました。『森の芸術祭なのに森を使わないんだったら、俺らが勝手にやっちゃうぜ!』みたいな。

有名なアーティストの作品を展示するといったことはそれこそ森の芸術祭のような規模のイベントでやれば良いと思いますが、西粟倉はむしろ自分たちのニーズにあったもの、ニーズにあった規模のイベントをきちんと開催することの方が大事なんじゃないかと感じています。

私は西粟倉村に移住する前からずっとコミュニティや、人の“居場所”について問い、その答えを考えて続けてきました。『一人でいたとしても、寂しくない場所』はどうやって作れるのだろう、ということ考え、自分なりの仮説を持っているからこそ、自分が森々燦々をやる意義があったと思っています。なので、今後も自分たちにとって意味のある形で森々燦々を継続していければと思います。

秋山さんの本棚

映像研には手を出すな! (大童澄瞳(著)小学館)

出典:小学館ウェブサイト https://www.shogakukan.co.jp/books/volume/45579

今回の森々燦々は、私自身が興味関心を持っていることと、村の人たちの興味関心がうまく重なって生まれたことだと思っているんです。皆がそれぞれ持っている「勢い」だとか「パワー」だとか、「みんなで作品を集めたらどうなるんだろう?」「このイベントが開催されるのをこの目で見てみたい!」といった想像力が結集して実現できたイベントだと思います。

この「映像研には手を出すな!」は、まさに今回自分たちがやったことと同じことが描かれていると思っています。

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森々燦々の公式サイトはこちらです。
https://shinshinsansan.com

【秋山淳のセカイ】
https://shinshinsansan.com/world-of-atsushi-akiyama

また、秋山さんが理事をつとめる「西粟倉むらまるごと研究所」の公式サイトはこちらです。
https://muramaru.tech

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