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今月のテーマ 村の消防団ってどうなっとん?
はじめに
今回の特集では、村の消防団について紹介します。近年、消防団の団員数が減少しているという課題が浮き彫りになっています。特に、村では協力隊制度をはじめとした取り組みによりIターンの移住者が増加しており、消防団活動にも積極的に参加していただいています。一方で火災や災害経験者の多くが退団しており、災害対応や地域のことを詳細に理解している団員が減少しています。今回の特集では、実際に団員にインタビューを行い、村の現状や課題について団長にお話をうかがいました。また、Iターンの消防団員にもインタビューをし、移住者として感じた消防団活動についてもご紹介します。
消防団ってなに?
消防団は、消火活動だけでなく、地震や台風などの多数の動員を必要とする大規模災害時の救助救出活動、避難誘導など多方面で地域のくらしを守るという重要な役割を果たしています。平常時においても、住民への防火指導、巡回広報などの地域に密着した活動を行っています。
また消防団以外の消防団以外の活動も行われ地域コミュニティの活性化にも大きな役割を果たしています。

消防団はどのような活動を行っている?

※ 春の巡回
(概要)春は乾燥と強風により火災が発生しやすい時期です。各地区で火災の危険が無いか巡回して確認します。

村に消防団は何人いる?


グラフのとおり、村にはたくさんの移住者が消防団員として活動しています。

次のセクションでは、村の消防団の団長に今の消防団の現状と課題について、また村に移住し消防団として活動している団員にお話を聞きました。
団長、団員が語る、「今の消防団について」
現、西粟倉村消防団 団長の河野玲(こうの あきら)氏に村の消防団の現状と課題、そして課題解決に向けて今、消防団はどのようなことを行っているかお話を聞きました。

◾村の消防団の現状と課題について
最近の傾向として、消防団に参加しない人や地域の活動に興味を持たない人が増えていると聞きます。しかし、村に移住してくる人々は積極的に地域の活動に参加していただき、その中で消防団に入団してくれることには、非常に感謝しています。しかしながら、私たちの村の消防団にはいくつかの課題が存在しています。新しい団員が加入してくる一方で、経験豊富な団員が定年を迎え、退団する人数も増えています。このため、火事や災害を経験した団員の減少や、地域の事情をよく理解している団員の減少が懸念材料となっています。
◾課題解決に向けて
このような状況を改善するため、消防団はさまざまな取り組みを行っています。
昨年度では、火事や災害を想定した訓練として、火災想定実動訓練を実施しています。これに加えて、救急訓練も行い、実際に火事や災害が発生した際に備えた準備を進めています。これらの訓練を通じて、団員の技術力や対応力を高めることを目指しています。
また、幹部会においては、先輩団員が後輩団員に消防技術だけでなく、地域に関する様々なノウハウも伝えるよう意識づけを行っています。具体的には、巡回の際に「ここは土砂崩れの危険性がある場所」「ここには高齢者が一人で住んでいる」といった地域の情報を教えることを心掛け、団員同士で地域の理解を深めることを目指しています。このようにして、消防団全体の地域への理解と対応力を高めることで、より安全な地域づくりに貢献していきたいと考えています。
最後に、春の時期は野焼きが行われることが多いため、野焼きをする際には必ず地区の消防団に連絡をしてください。連絡をすることで、消防団が火事の発生に備えるだけでなく、訓練にも繋がります。皆さんの協力が安全な地域づくりに大きく貢献しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◾団員が感じる、「消防団活動について」
知社地区で消防団員鍋島 智弘(なべしま ともひろ)氏に消防団活動についてお話を聞きました。鍋島さんは、現在第4部の部長として活躍しています。

◾消防団に入ったきっかけと日々の活動について
消防団に入ったきっかけは、村に移住した際、地区の先輩に勧められたことでした。日々の活動は、器具やポンプ車の点検や、春の巡回期間中に消防車で地区内を巡回することです。消防団に参加することで、出初式などの行事を通じて、普段仕事では交流のない他の地区の同世代の人々と繋がることができ、非常に良い経験となっています。
◾消防団に入ってみてどのように感じたのか
消防団として活動している中で、私は多くのことを感じました。特に、人口が少なく、消防署がない小さな村で、災害や火災が発生した際に消防団という自治組織があることの重要性を強く実感しています。30年豪雨や中土居の火災など、実際に出動した経験を通じて、当事者意識を持つことができました。団長が課題として挙げているように、火災や災害の経験者が少なくなっている現状については、私も感じています。そのため、実際に出動する際には、団員一人ひとりが自主的に動き、指示系統や役割分担について団員同士で考え、準備を整えていくことが必要だと感じています。

広報にしあわくら4月号全文は以下でご覧ください。