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皆さん、陶器を自分で作ったことはありますか?ろくろを回したり、窯で焼いたり・・・ “登り窯”についてはご存知でしょうか?
西粟倉村には、自分でろくろを回して土を形作り、そして”登り窯”という窯で焼く体験までできる、とても素晴らしい工房があります。
「若杉窯 ギャラリー若杉」
今回は、若杉窯で体験し、学ぶ、陶器づくりの様子をレポートします。
若杉窯って?
舞台となる若杉窯は、西粟倉村の美しい里山の風景の中に佇む工房です。四季折々の自然を感じながら、陶器づくりを体験することができます。
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<若杉窯を包む里山の風景>
ご主人の宮崎先生は、元学校の教師。
当初は、趣味で陶器づくりをして、仲間と一緒に展示会で販売もしてみる、ということを繰り返していたそうです。
しかしある時、「人様に使ってもらうのに、こんな出来ではダメだ!」と一念発起。本気で陶器に向き合う決心をし、独学での勉強を深め、そして陶器を焼くための登り窯まで作り上げました。
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<ろくろを回す宮崎先生>
土殺し!ろくろを回す土の形作り
陶器作りの工程には、大きく分けて、
① 土を形作る工程
② それを焼く工程
の2つがあります。
若杉窯では、それぞれを体験することができます。(体験時期は異なります)
まずは、① 土を形作る工程の体験の様子から。
土は最初は丸っこいかたまりです。
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<始まりはこの状態>
このかたまりを、ドンッと、ろくろの天板に叩き置き、緊張しながら電動ろくろのスイッチを入れて回し始めます。
そしていきなり、超難関の”土殺し(つちころし)”です。
土殺しとは、いわゆる土の芯出し作業。
水で濡らした手で優しく包み込みながら回していくことで、土のかたまりがブレずに回るようになることを目指していきます。
でも、難しい(笑)
いくらやってもブレブレのままで、宮崎先生にサポートしてもらいながら進めていきます。
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<土殺しに取り組む体験者>
芯が出てきたら、かたまりに手を添えながら、上から、指に少しずつグイッと力をいれていきます。そうすると・・・スーッと窪みができ、陶器の面影がおぼろげに見えてきます。
そしてその窪みの中で、指を中から外へ広げるように力を入れ、窪みを広げて底を作っていきます。
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<陶器の面影>
次は、いよいよ自分の思う陶器の形を作っていきます。
陶器の外側と内側から、そ~っと両手の指で挟み込みながら、上に伸ばすイメージで指を動かします。
そうすると・・・土が踊るように形を変え始めます!ちょっとした指の力の入れ方の違いで全く形が変わる様子に驚きながら、心の中に浮かんでくる自分の理想の形を、集中して作っていきます。
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<理想の形へ>
だいたいできたかな?と思った頃に、宮崎先生から、「どうだ?離れて見てみよう」との声。
目の前の作業に集中していた視点から、全体を俯瞰する視点へ。
それによって、違った姿が見えてきます。そして、思い描いていた姿に近づけるべく、再び集中した作業に戻ります。
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<完成に近づく陶器を大胆に眺める体験者>
そうしてついに形ができたら、指で挟んだ鹿革で陶器のふちをなぞって整え、最後に糸でろくろから陶器(土)を切り離します。
最後の最後まで気を抜けない時間が続き・・・完成です!
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<仕上げの作業に最大集中する体験者>
知ることとできること
若杉窯では、1回の体験の時間で、体験者の希望に応じて、例えば3つの陶器を作ることもできます。
その場合、ここまでの工程を、3巡します。
この3巡には、形が異なる3つの陶器ができあがることのおもしろさはもちろん、元教師の宮崎先生の教育法が詰まっているように感じます。
1巡目では、宮崎先生から説明を受けながら、土の形作りの一連の流れをまず”知る”ことになります。作る作業は、神の手の助けを多く借りつつ進めます。
2巡目では、宮崎先生は、基本的に手を貸してくれなくなります。1巡目で学んだことを思い返しながら、自分なりに進めていきます。それでも迷っている時には、優しく「こうしたらどうなると思う?」と声をかけてくれ、気づきを与えてくれます。
3巡目では、ここまでの経験を発揮する時間として、自分だけでやりきります。時間がかかりながらも仕上がった時には、”できる”ようになったことへの喜びが湧いてきます!
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<3つの陶器>
さぁ、次はいよいよ・・・
土の形作りの工程はこれで終了。
しばらくの期間、工房に置いて乾燥させた後、宮崎先生が底の部分を整えてくれ、さらに体験者のオリジナルサインを陶器の裏底に刻み入れてくれます。
そして、焼く工程へと進む時を、陶器たちは待つのです!
その時は年に1回、毎年10月!
後編では、登り窯で焼く様子をレポートします。西粟倉村の自然が生み出す白い炎が、陶器に新たな命を吹き込む瞬間を、ぜひお楽しみに!
若杉窯 ギャラリー若杉
- 料金:1人あたり、陶器(湯呑みタイプ)の土の形作り・焼成で、2,000円(税込)
- 土の形作りは、電動ろくろを使う作り方以外にも、様々な作り方を体験可
- 焼成時の現地訪問は任意
- 完成品の受取は現地訪問もしくは郵送(着払い)
- 予約要否:要(事前に必ずお問合せください)
- お問合せ先:090-4657-8476まで
- 住所:〒707-0501 岡山県英田郡西粟倉村大茅1640−6
- SNS:
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