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今月のテーマ 村の狩猟ってどうなっとん?

はじめに
今回の特集では、村の「狩猟」について取り上げます。
山や森に囲まれたこの地域には、シカをはじめとする多くの野生動物が生息しており、その豊かな自然環境の恩恵を受けています。村では、その自然の恵みを活かし、狩猟を通じて得たジビエを自ら食した
り、加工して販売する取り組みを行っています。
この特集では、普段あまり知られることのない狩猟の世界を紹介し、その魅力と課題について深掘りします。実際に狩猟を行っている現役のハンタ—、西粟倉村猟友会会長・白畠正宏さんと野木雄太さんにインタビュ—し、お二人の経験を通して村の狩猟の現状や未来についてうかがいました。
村にハンターは何人?
・村内の狩猟人口について
令和6年度時点で、猟友会の会員数は20人(わな・銃を使える猟師6人・わな猟師14人)です。下記の表の通り、ハンタ—の年齢を見たとき、最近は若い人も狩猟を行っていることが分かります。

狩猟をしないとどうなる?(狩猟はなぜ必要?)
増えすぎたシカなどが生態系や農作物、人々の生活環境に及ぼすさまざまな被害を抑えるため、ハンタ—が生息数を適切に管理することが重要です。村で一番多い被害はシ力による被害です。例えばシカによる農作物や植えたばかりの木の苗の食害などが問題になっています。また、村は、全国的にもシカの数が多いです。そのため百年の森林事業では植林時に鹿柵を設置しています。

どうやって捕獲する?
狩猟にはさまざまな方法があります。狩猟には狩猟免許と狩猟者登録が必要になります。また狩猟免許の種類によって捕獲の方法が異なります。
・わな猟 わなについては、主に箱罠やくくり罠などがあります。
・銃猟 空気銃(第2種狩猟登録)、散弾銃・ライフル(第1種狩猟登録)を用いて捕獲します。※銃の所持については「銃砲所持許可」が必要になります。
捕獲後はどうする?
狩猟の目的として、農作物や人への被害を減らすことに加え、山に生息するシカなどの動物に対して理解と感謝の気持ちを持ち、捕獲した際には「その命をいただく」ことを大切にしています。村内では、捕獲後に、ハンター自ら捌き食べる、また株式会社エーゼログループが運営する獣肉処理施設に持っていき、加工、それを「森のジビエ」として村の飲食店やふるさと納税の返礼品など活用しています。また学校の給食でもシカやイノシシの肉を使用しています。


若者が狩猟に惹かれる理由とベテランの視点から見る狩猟の魅力

・狩猟に興味を持ったきっかけ
野木さん:村に移住前、地元の猟師さんが獲ったシカの肉をごちそうしてくれました。イメージしていたよりずっと美味しくて驚きました。それが狩猟に関心を持つ最初のきっかけでした。
・狩猟の魅力について
白旗さん:山に入って、痕跡や匂い、地形を読みながら、獲物の動きを想像する。それがうまく当たって獲れたときの達成感は本当に大きいで。
野木さん:ー獲れたときのうれしさはもちろんありますが、近所の農家さんから『獣害に困っている』と相談され、実際に仕留められたときに感謝してもらえたこともうれしかったです。また、エ—ゼロに所属し、加工なども行っています。きちんと血抜きをして処理すれば、臭みもなくて美味しい肉になります。給食でシカ肉が出されたとき、子ともたちが美味しそうに食べている姿を見て、本当にやっていてよかったなと感じました。

・昔の狩猟(銃猟)について
白畠さん:昔は銃猟しかなかった。 7、8人で山に入り狩猟を行っとった。大概、相棒で猟犬がおって、山の中で猟犬が獲物を追い、ハンターは逃げ道を予測して待ち構える一連で狩猟していたで。うまいこと取れた後は、みんなでその場で解体して食べたりしていた。
・今後の狩猟について
白畠さん:今は狩猟に興味を持っている人も多いと思う。最近は女の人でも狩猟を行たったりしているで。
野木さん:免許は比較的取りやすいのですが、実際にどこに罠を仕掛けて、どうやって獲ればよいのかが分からないという人も多いです。ベテランの猟師と一緒に山に入り、実地で学べるような機会がもっとあれば、続ける人も増えるのではと思います。

狩猟に挑戦したいと思った方は?

広報にしあわくら7月号全文は以下でご覧ください。