春の訪れを予感していた日々の中でも冬を感じさせる雪の朝、西粟倉村のあわくら会館・百森ひろばにて立志式(りっししき)が開催されました。
立志とは、「志を立てること」、「将来の目標を定め、これを成し遂げようとすること」です。
立志式は、元服にちなんで数え年の15歳を祝う行事として村の中学2年生が参加し、将来の決意や目標などを明らかにすることで、大人になる自覚を深める式典です。
西粟倉村は高校がなく、多くの子どもたちは中学卒業と共に村を出ます。
立志式は、西粟倉で過ごす短い学生生活の大事な節目として、村長や村議会議長、村教育委員会教育長、学校関係者が参列する村にとって大切な行事です。
開会されると列席された方々からお祝いと、これからの日々へのエールが贈られました。
青木村長からは失敗とは、何もしないことであり挑戦を恐れずに様々なことに取り組んでほしいということ、
金田村議会議長からは友人の大切さ、
西粟倉村教育委員会・関教育長からは成功の鍵は才能ではなく、目標に向かって努力することややりぬく力であること。
お一人ずつの言葉を15歳の参加者たちはしっかりと受け止めていました。
そして生徒を代表して青木結斗くんが、以下の誓いの言葉を読み上げてくれました。
■誓いの言葉
私たちは本日、この立志式にあたり、四つのことを誓います。
一、礼儀正しく、けじめをつけて、言動に責任の持てる人になります。
一、笑顔と優しさ、思いやりを大切にし、人を大事にします。
一、目標に向かって努力し、強い意志で学び続けます。
一、毎日悔いのないように、健康で楽しく過ごします。
そしてお礼の言葉として、それぞれが自分の足で強くしなやかに歩んでほしいというメッセージが西粟倉中学校の松本校長より述べられ閉会を迎えました。
また、この日に向けて作られた「立志式記念文集」には将来の夢や目標がひとりひとり語られています。
自分の弱さを克服したい、こんな仕事に就いていたい、西粟倉の人々の役に立つ仕事をしていたいなど将来の自分への期待と未来に向けてこんな努力をしていくということがそれぞれの言葉で書かれていました。
”10年後の自分と西粟倉の姿が楽しみです”。
大人たちは、そんな言葉で締めくくられている文章を読むと、参加していた15歳のもう子どもではない、大人に踏み出した彼ら、彼女たちの故郷が西粟倉であることを嬉しく誇らしく感じられ、そして自分たちもこれからの10年をまた頑張ろうと思う瞬間でした。