空家等管理活用支援法人ってなに? 〜広報にしあわくら 2026年4月号より〜

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今月のテーマ 空家等管理活用支援法人ってなに?

はじめに

令和8年度より、「空家等管理活用支援法人」(以下、支援法人)制度が始まります。この制度は、村が専門知識を有する民間団体を指定し、地域における空き家対策を積極的に推進していく仕組みです。現在、県内で指定されている支援法人は3団体あり、令和8年度3月時点で、今回新たに指定される支援法人は県内で4団体目となります。では、この支援法人は具体的にどのような活動を行うのか。その役割や実際の取り組みについて支援法人に指定された一般財団法人西粟倉むらまるごと研究所の秋山淳(あきやまあつし)さん、そして協力事業者である、いとまや不動産の谷口敦(たにぐちあつし)さんにお話をうかがいました。それぞれの活動内容や空き家対策への想いに迫り、村にとってどのような役割を果たしていくのかを解説します。

空家等管理活用支援法人ってなに?

令和8年度から導入される「空家等管理活用支援法人」制度。これは、役場が専門知識を持つ民間団体を指定し、空き家対策を推し進める仕組みです。不動産や建築知識などの専門知識を持たない役場だけでなく、不動産や建築の専門知識を持つ民間団体が、「所有者からの個別相談」に寄り添います。行政だけでは難しかった、プライベートな事情(相続や売却価格の悩みなど)に踏み込んだきめ細やかなサポートが可能になります。役場と法人が役割を分担しながら、空き家の「利活用」などを、よりスピーディーに進めることを目指します。

使ってみませんか?村の空き家支援メニュー

本村では、空き家を「地域の資源」と捉え、3つの柱で支援を行っています。

【空き家バンク(つなぐ)】
「貸したい・売りたい」物件を登し、村での暮らしを願う方へ情報をつなぎます。

【活用補助(直して使う)】
移住者向けに空き家を貸し出すための改修や片付け費用を最大145万円補助します。
これまでに38件使用

【除却補助(解体する)】
老化し危険な空き家の解体費用を最大150万円補助します。

対談「役場×民間」の新体制。空き家の悩みに、より深く、より速く

▲一般財団法人西粟倉むらまるごと研究所 秋山淳さん(左)▲いとまや不動産 谷口敦さん(右)

令和8年4月1日に空き家活用支援法人として指定された一般財団法人西粟倉むらまるごと研究所で一級建築士の秋山淳さんと協力事業者であるいとまや不動産の谷口敦さんに今の空き家の現状や活用支援法人についてインタビューを行いました。

なぜ、活用支援法人が必要なのか?

(役場)空き家担当
空き家対策に取り組んできましたが、活用可能な物件が減少し、今後は扱いが難しい物件が増える可能性を感じています。以前は制度を整えるだけで活用が進みましたが、状況は変わりつつあります。加えて、役場職員は異動が多いため専門的知識の蓄積が難しい上、公務員として特定業者の紹介や深い相談対応には法的な制約があります。そのため、民間主体の支援法人があれば知識の蓄積が可能となり、相談者に寄り添った柔軟なサポートを提供できると考えます。

村の空き家の現状をどのように見ていますか?

(役場)空き家担当
一つ大きな特徴として、ありがたいことに移住希望者は多いのですが、提供できる住宅が不足しています。空き家自体はあるのですが、供給に結びついていないのが現状です。

谷口さん
空き家や空き地に関する話を進める際、所有者の状況や考え方が複雑なため、多くの課題があります。例えば、空き家があっても貸すか売るかの判断に至らず、所有者が「使う予定がある」と認識している場合もあります。また、土地に関しても先祖代々受け継いできた場所を手放したくないという感情が根強い場合があり、所有者との信頼関係がなく、知らない業者が接触すると話が進みにくいこともあります。

秋山さん
空き家や土地を所有している方々の中には貸したい気持ちや売りたい気持ちが全くないわけではありません。ただ「困っているけれど、どこに相談して良いのかわからない」といった状況が根底にあると思います。気軽に相談できる環境が地域に必要であるということです。
その上で、すべての空き家を活用すべきだとも考えてはいません。
劣化状況や立地なども踏まえながら、村の補助制度等の支援体制も合わせて、解体すべきものは解体を、活用できるものは活用を促していくといった適切な判断を行なう機能が必要だと思います。

支援法人は、具体的に何をするの?

秋山さん
支援法人として、相談窓口の開設・空き家調査支援・専門家への接続・空き家情報の一元管理を担い、空き家所有者および利用希望者の間を円滑につなぐことを目指しています。まずは何より窓口機能の充実が課題であり、お問い合わせに迅速かつ的確に対応できる体制づくりを行います。加えて、空き家バンクと連携した空き家情報の一元管理が必要不可欠です。空き家情報を詳細かつ体系的に整理することで、空き家ニーズへの適切な情報提供や、ニーズに合わせた空き家の現地調査の実施、適切な専門家とのネットワークの提供が実施できると考えています。また、空き家データだけでなく、移住者の相談件数や住み替え希望者のニーズを蓄積・可視化することで、地域の現状に即した支援が可能だと考えているので、個人情報保護を十分考慮しつつ、相談窓口の設置と適切なデータ管理により持続可能・運用体制を整備することを目指していきます。お困りの点やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお電話ください。

谷口さん
宅建業を持つことで物件の公募が可能となり、活用や売却の準備がスムーズになる点は大きな強みです。また、相続や将来的な活用について早めに相談することも重要だと感じています。例えば、将来に備えた準備をすることで、相続や不動産活用の際に慌てることなく進められます。特に、40~50代の方が早期に相談を始めることで、家族が亡くなった場面でもスムーズに対応できることが多いです。一方で、多くの方が急な事態に戸惑うケースも少なくありません。
例えば、「戸籍謄本って何?」など初歩的な疑問が生じたり、複雑な相続手続きに直面したりします。
早期相談によりこうした問題に備える重要性を伝えていきたいと思います。

支援法人の開始により、村の未来はどのように変化しますか?

(役場)空き家担当
空き家対策の進展と村民の幸福度の向上を目指し、支援法人の専門知識を活用することが鍵です。
専門家の迅速かつ的確な対応により問題が解決し、空き家の活用や解体が進むことで、村全体の状況が改善されると期待しています。

秋山さん
村民の幸福度向上には、住環境整備が不可欠です。現行の補助制度だけでは水回り改善は可能ですが、十分な耐震・断熱性能の向上には課題が残ります。補助制度の活用や新しい資金獲得策を検討し、空き家を地域資源として活用する仕組みづくりが重要となると考えています。支援法人として創造的発想で村民に寄り添い、快適で
暮らしやすい村作りを目指します。

谷口さん
「将来に困らない」という安心感を作りたい。物件が流通し始めれば、村外からも「西粟倉に住みたい」という人が自然と入ってくる良い循環が生まれるはずです。

こんな時は相談のタイミングかも
  • 実家の相続について、そろそろ家族で話しあっておきたい
  • 終活について考えている
  • 「盆やお彼岸に帰るけど、普段の管理が大変」と感じ始めた
  • 「貸したい・売りたい」けれど、どこに相談するのかわからない

空き家活用支援法人
一般財団法人むらまるごと研究所
TEL 090-4109-6500

広報にしあわくら4月号全文は以下でご覧ください。

広報にしあわくら2026